肝斑は、主に頬や鼻、額などに対称的に現れる色素沈着で、不規則な形状をしています。特に更年期前後の女性に多く見られ、メラニン色素の過剰生成によって引き起こされます。
私自身も出産してから肝斑が表れて、ずっと気にはなっていたのですが、ビタミンサプリを摂取するくらいのことしかしてませんでした。50歳を機に一念発起、美容皮膚科で治療を受けてみることにしました。
まず、肝斑ができるメカニズム
肝斑(かんぱん)は、主に女性ホルモンのバランスの乱れや紫外線の影響によって引き起こされる皮膚の色素沈着です。
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女性ホルモンの影響: 肝斑は特に妊娠中や経口避妊薬を使用している女性に多く見られます。女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の変動がメラノサイトを刺激し、メラニン生成を促進します。これにより、肌に色素沈着が生じ、肝斑として現れます。
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紫外線の影響: 紫外線はメラノサイトに直接作用し、メラニン生成を促進します。特に、長時間または強い紫外線を浴びることで、メラノサイトの数が増え、メラニンの生成が活発化します。これが肝斑の悪化につながることがあります。
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ストレスと生活習慣: ストレスもホルモンバランスを崩す要因となり、肝斑を悪化させる可能性があります。また、不規則な生活習慣や栄養不足も肌の健康に影響を与え、肝斑の形成を助長することがあります。
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メラニン生成のメカニズム: メラノサイトは紫外線などの刺激を受けると活性化され、メラニンという色素を生成します。このメラニンは皮膚細胞内に蓄積され、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)が正常であれば徐々に排出されます。しかし、ターンオーバーが乱れると、メラニンが蓄積しやすくなり、肝斑として現れます。
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肝斑治療にはさまざまな方法があります。
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トラネキサム酸: 肝斑治療において最も一般的に使用される内服薬です。メラニン生成を抑制し、炎症による色素沈着を防ぐ効果があります。通常、1日500mgから1500mgを服用します。
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ビタミンC誘導体: メラニン生成を抑制し、抗酸化作用を持つため、肝斑やシミの改善に寄与します。特に、ビタミンC誘導体は皮膚への浸透性が高く、効果的です。
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ハイドロキノン: 強力な美白成分であり、メラニン生成を強力に抑制します。ただし、使用時には紫外線対策が必要です。医療用として処方されることが多いですが、市販品でも低濃度で利用可能です。
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レーザー治療: レーザートーニングやフォトフェイシャルなどが用いられます。これらはメラニンをターゲットにし、色素沈着を改善することを目的としています。ただし、肝斑の場合は刺激が強すぎると悪化する可能性があるため注意が必要です。
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生活習慣の改善: ストレス管理や紫外線対策も重要です。特に紫外線は肝斑を悪化させる要因となるため、日焼け止めの使用や適切なスキンケアが推奨されます。
トラネキサム酸の長期使用による影響は?
トラネキサム酸は、肝斑やシミの治療に広く用いられる薬剤ですが、長期使用にはいくつかのリスクや影響があるとのこと。
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血栓症のリスク: トラネキサム酸は血液凝固を促進する作用があり、特に血栓症の既往歴がある人や喫煙者、経口避妊薬を使用している人には注意が必要です。長期間服用することで血栓が形成されるリスクが高まる可能性があります。
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肝機能障害: トラネキサム酸は肝臓で代謝されるため、長期服用は肝臓に負担をかけることがあります。肝機能障害が生じる可能性もあり、特に肝機能に問題がある人は注意が必要です。
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腎機能への影響: 同様に、腎臓でも代謝されるため、腎機能にも影響を及ぼす可能性があります。腎機能に問題がある場合は、医師と相談しながら服用することが重要です。
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消化器系の副作用: 長期使用によって消化器系の不快感(吐き気や腹痛など)が見られることがあります。これらの症状は通常軽度ですが、持続したり悪化したりする場合には医師に相談する必要があります。
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効果の持続性: トラネキサム酸を中止すると、メラニン生成抑制効果が失われ、数週間から数ヶ月で肌の状態が元に戻る可能性があります。特にシミや肝斑が再発するリスクがあります。
トラネキサム酸は一般的には安全性が高いとされていますが、長期的な服用を考える際には医師との定期的な相談が不可欠です。
トラネキサム酸と併用したほうがいい成分は?
肝斑治療において、トラネキサム酸以外にもいくつかの有効成分が存在します。
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ビタミンC誘導体: ビタミンCはメラニンの生成を抑制し、抗酸化作用を持つため、肌をダメージから守ります。特に、ビタミンC誘導体は皮膚への浸透性が高く、シミやそばかすの改善に寄与します。紫外線によるダメージから肌を保護し、新たなシミの生成を防ぐ効果があります。
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L-システイン: このアミノ酸はメラニンの生成を抑える働きがあり、肝斑やシミの改善に役立ちます。L-システインは体内でグルタチオンという抗酸化物質に変換され、これがメラニン色素の合成を抑制します。
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ハイドロキノン: 強力な美白成分として知られ、メラニン生成を強力に抑制します。医療用として処方されることが多いですが、市販品でも低濃度で利用可能です。ただし、使用時には紫外線対策が必要です。
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ビタミンE: 抗酸化作用があり、肌の健康を保つために重要です。ビタミンEは血行を促進し、肌の新陳代謝を助けることで、肝斑やシミの改善に寄与します。
これらの成分は単独で使用されることもありますが、トラネキサム酸と併用することで相乗効果が期待できます。
肝斑治療における最新の研究
最近の研究では、肝斑治療における新しいアプローチや成果が報告されています。
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トラネキサム酸の保湿効果: 第一三共ヘルスケア株式会社は、2024年10月28日に発表した臨床試験で、トラネキサム酸が皮膚の角層水分量を増加させることを確認しました。この試験では、40~60代の健常な日本人女性を対象に、トラネキサム酸配合製剤とプラセボ製剤を12週間塗布し、水分量の変化を測定しました。その結果、トラネキサム酸配合製剤を使用した部位では有意な水分量の増加が見られました。
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Sylfirm Xの利用: 2024年3月24日に行われた矽谷電波高峰会では、韓国と日本の医師がそれぞれ独自の治療法を発表し、Sylfirm Xが肝斑治療において効果的であることが示されました。他のレーザー光療法と組み合わせることで、肝斑の再発を減少させる可能性があります。
美容皮膚科に行って、トラネキサム酸を処方してもらって飲み始めて1ヶ月少し。1日1回飲むだけでいい3,000mgの強力ビタミンCと、ビタミンEユベラも一緒にセットになっていました。
なんとなく肝斑が薄くなってきたように、それから全体に顔が明るくなってきたような気がします。
Sylfirm Xも試してみました。
が、痛い・・!痛くてびっくりしました。全顔に麻酔を塗ってからの施術なので、痛さを想定しなかったこともあり。顔中にホッチキスのようにビシッと針を刺されるようなイメージで全顔を2周。施術は30分くらいでしたが、汗びっしょりになりました。
先生からは、肌色が明るくなったと言われましたが、今のところ私はもう一回受ける勇気がもてず・・です。 -