老後のお金シミュレーション:生活費のために株式を年率4%で切り崩すとすると、リタイア時点で資産はどれだけ必要?

お金の不安を可視化

昨年1年間、家計簿アプリで老後の必要経費がどれくらいかを試算してみましたが、
私の場合は、夫も今と同じだけ生活費を負担するとして、約450万円でした。
年金だけではさすがに足りないので、資産を切り崩していくことになると思います。
NISAやiDeCoで株式運用をしていますが、リタイア開始時点でどれくらいの資産が必要なのかをシミュレーションしてみます。

 

4%ルールとは?

4%ルールとは、リタイア後の資産を毎年4%づつ切り崩すことで、30年以上資産を持続できるという考え方です。

4%ルールの根拠(トリニティ・スタディ)
1998年にトリニティ大学の研究によって、このルールが検証されました。
研究では、米国の株式(S&P500)と債権のデータ(1926年〜19995年)を分析し、取り崩し率と資産が持続する確率を調査しました。

    • 3%→ほぼ100%の確率で資産が持続
    • 4%→30年間の資産持続成功率は90%以上
    • 5%→30年間の資産持続成功率は60%程度

つまり、4%程度の切り崩し率であれば、市場が低迷しても資産が枯渇しにくいということですが、4%ルールには前提条件と考慮すべきリスクがあります。

  • 現金資産だけではなく、株式・債券などをポートフォリオに組み込んでリタイア後も運用し続けることが必要
  • 4%ルールは米国市場のケース:国内株式銘柄だけでは4%に届かないかも
  • インフレリスク:物価上昇により、切り崩し額を増やさねばならないかも
  • 長寿リスク:リタイアから30年以上生きるかも

 

リタイア時点でどれだけの資産が必要?

前提条件を以下のようにおいて、シミュレーションしてみます。

  • 必要経費:年間450万円
  • 年金収入:月15万円
  • 年金で不足する分:年間270万円を、4%ルールで株式資産から切り崩す

→リタイア時点で必要な株式資産:6,750万円

60歳時点で、6,750万円の株式資産にすることが目標の目安となります。

 

リタイア時点で必要な株式資産を持つための積立額は?

それでは、60歳で目標額6,750万円に到達するためには、毎年どれくらいの投資が必要なのでしょうか?
われわれ50代世代は、リタイアまであまり運用時間がないことがデメリットですが、多くの場合はゼロスタートではなく、NISA、iDeCoなどこれまで積み上げてきた資産があることがメリットです。もちろん、今ある資産も運用しながら目標到達を目指します。

  • リタイアまでの運用期間:8年
  • 今ある株式資産:NISA+一般株式口座1,500万円+iDeCo900万円(合計2,400万円)

→年利4%で運用できた場合:年間370万円(月額31万円)
→年利5%で運用できた場合:年間335万円(月額28万円)

NISAをフルスロットルで積み立てていけば、なんとか到達できそうです。

ちなみに、株式資産と現金のポートフォリオは7:3が理想だなと思っているのですが、株式資産が6,750万円とすると、必要な現金資産は約2,900万円。今ある貯金と退職金でちょうど賄える金額です。

 

60歳までもう10年を切っているので、老後必要経費の毎年の Update、バランスシートのチェック、そして今回行ったリタイア時点の必要資産額のシミュレーションを年に1回は行って、自分の投資積立が目標に向かって計画どおりかの答え合わせをしておきたいものです。
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