「腸は第2の脳」とはどういうこと?!今さらながら腸活について考えてみる

メンタルのメンテナンス

50歳を過ぎてから、金融リテラシーとデジタルリテラシーは落とさないように気をつけているのですが、これらに加えて、健康リテラシーも上げていかねば!と気持ちを新たにしているところです。健康第一であることは言うまでもありませんし、今が不健康なわけでもありませんが、常にアンテナを立て、知識を得て、新しい活動を取り入れることを意識していないと、ともすればライフスタイルがマンネリしてしまい、加齢に逆らうことができません。

腸活という言葉が登場して久しいですが、健康といえば、やっぱり腸からということで勉強してみました。
そこで初めて出会ったのが「腸は第2の脳」という言葉、とても興味が湧きました。

 

腸が持つ独自の神経ネットワーク

腸には約1億個以上の神経細胞があり、これは脊髄や末梢神経よりも多いことをご存知でしたか?
腸に神経細胞があったことがまず意外でしたし、こんなに数が多いのは、腸が長いからというだけではなく、腸の持つ役割が複雑なため、脳の指令がなくても働ける自律性が必要だから。

そもそも、消化・吸収のプロセスは、「食べ物を運ぶぜん動運動」「消化液の分泌」「栄養・水分の吸収」これらをタイミングを調整しながらスムーズに行う必要があります。
脳から毎回指摘を送っていては間に合わないので、腸自身がコントロールできる仕組み、腸の神経ネットワークが発達したとのこと。

腸の機能が脳と独立しているということはつまり、脳死の場合も、血流が維持されているかぎり、腸は動き続けるということです。

また、腸は免疫細胞の7割が集まる臓器であり免疫コントロールも行なっていますし、なんと幸せホルモンとして知られるセロトニンの9割は腸で分泌されているのです!

腸は図体の大きい体育会系の臓器というイメージでしたが、脳のように、知性を持つ緻密で繊細な臓器だったんですね、すっかりイメージが変わりました。

 

脳と腸は会話している

腸が第2の脳と呼ばれているのは、腸が脳のように自律コントロールできる臓器だからというわけではなく、脳と腸がホットラインで繋がっていることにも由来しています。

  1. 神経ルート(迷走神経):迷走神経とは脳神経の一つで、脳と腸のリアルタイムかつ双方向の情報伝達ルートです。例えば、お腹がゴロゴロし始めれば不安な気持ちになったり、極度の緊張状態でお腹が痛くなる、などの症状はこの会話によるものです。
  2. 免疫ルート:腸には体内免疫細胞の7割が集約しており、炎症の度合いが「炎症シグナル」として脳に伝わります。
  3. 腸内細菌ルート:腸内細菌が作る代謝物(短鎖脂肪酸など)が血流に乗って脳に届き、神経やホルモンに作用することが確認されています。
  4. ホルモン・神経伝達物質ルート:上記のように、腸には多くの神経細胞があり、神経伝達物質(ホルモン)を算出しています。「幸せホルモン」として有名なセロトニンは、その9割が腸で算出されており、脳にも影響を与えると言われています。

「腸が脳とこれほどのコミュニケーションが取れる臓器である」という事実は、私の中で腸のステイタスをぐぐっと上げました。

 

体内のセロトニンの90%が腸で作られる

これはとても衝撃的な数字ですよね!

しかしながら、腸で作られたセロトニンがそのまま脳に届いて幸せホルモンとして作用するわけではないのです(残念)。腸内で作られたセロトニンは、腸の運動や消化をコントロールするために使われ、私たちのメンタルに作用する幸せホルモンとしてのセロトニンは脳で産出されるものだけとのこと。

とはいえ、腸内環境とメンタルヘルスの関係は、腸内細菌-腸-脳軸(gut-microbiota-brain axis)」今ホットな研究テーマとなっているそうです。

 研究例

  • うつ病の患者では、特定の腸内細菌(例:Faecalibacterium)が少ないという報告。

  • マウスに「うつ病の人の腸内細菌」を移植すると、不安や意欲低下など うつに似た行動変化が出た。

  • ヨーグルトや発酵食品に含まれる「プロバイオティクス(善玉菌)」を摂取すると、気分が改善したという小規模臨床試験もあり。

腸内細菌はセロトニンの材料であるトリプトファンというアミノ酸の代謝を促進する、一部の腸内細菌はGABAやドーパミンなど、脳で使われる神経伝達物質を作るなどが確認されており、腸内細菌が幸せホルモンの生産をサポートしているようです。

 

未だ研究途中ではありますが、少なくとも、腸内環境がメンタルヘルスに関与することは概ねコンセンサスとのこと。
メンタルヘルスの改善・維持は、フィジカルよりも目に見えない分、難しいことでしたが、
腸内環境を整えることがメンタルに効果ありなのだとすると、やる事明確なだけに(発酵食品を摂るとか)やらない理由はありません。
遅まきながら、腸活に積極チャレンジしたいと思います。とりあえず、ヨーグルト食べます。

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