リタイヤ後、年金で不足する分を投資の切り崩しで補填するという方法もありますが、不足分だけ仕事をするという選択肢もあります。
今と同じだけの収入が必要ないとなれば、現役世代の今のように週5日、会社でゴリゴリ働く必要はなく、
出費も少なくなるし、年金ももらえるだろうし、投資からの配当や切り崩しの不労収入もあるだろうし、仕事選びにおける給与額の優先順位がぐっと下がるはず。
代わりに、してみたかったことや趣味の延長線上、エクササイズ代わりの労働、人とコミュニケーション取るために、など、働く目的がより自由に選べるはず。
もちろん、いつ、どこで、どれだけ働くか、の働き方も。
まずは、リタイア後に必要な労働収入をシミュレーションしてみよう
私の場合、リタイア後の必要経費は約450万円でした。
老後のお金シミュレーション:生活費のために株式を年率4%で切り崩すとすると、リタイア時点で資産はどれだけ必要?
NISAなど株式積立投資をしていますが、仮に、65歳時点で4000万円の資産になっていたとして、4%ルールを適用すれば、年間160万円づつ切り崩せることになります。
- 必要経費:450万円/年
- 収入:340万円/年
- 年金支給額:15万円/月x12ヶ月=180万円/年
- 配当金・投資切り崩し:160万円/年
- 不足額:110万円/年 →月10万円の追加労働収入があればOK!
定年後の仕事選び:3つのケース
エクササイズ代わりに、身体を動かす仕事を週に2−3回
リタイアした後、通勤の代わりにジム通いをして身体を鍛えることに熱中している方が、私の知人の中だけでも数人いらっしゃいます。
たしかに、ずっと家にこもっていたら体力が衰えてしまう恐れに駆られますね。
週に2、3日であれば、学生時代のバイトのノリで立ち仕事もできそうです。
たとえば、スターバックスの応募要項には年齢制限がなく、実際に60代・70代のスタッフも多くいらっしゃるそう。
カフェで働くのもいいし、パン屋さんで働くのもいい。カフェで働くのであればバリスタの勉強がしたくなるかも、パン屋で働くのであればパン作りを学びたくなるかも。
単なる肉体労働ではなく、新しい学びの機会になり得るかもしれません。
趣味やボランティアを楽しみながら、小さい仕事で必要な分の収入を
熱中する趣味やボランティアで外に出る機会があり、身体も十分に動かすということであれば、必要な収入の分だけ在宅ワークするという選択肢も。
例えば、これまでのビジネス経験が活かせるオンライン秘書は良さそうです。
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主な仕事内容
メール対応、スケジュール管理、資料作成・リサーチ、データ入力、請求書発行など - 始め方
- クラウドソーシングに登録
→「ランサーズ」「クラウドワークス」「ココナラ」などで募集多数 -
バーチャルアシスタントサービスに応募
→ 例:CASTER BIZ、HELP YOU、フジ子さん などの在宅アシスタント企業
- クラウドソーシングに登録
- 時給レベル
初心者:1,000〜1,300円前後
経験者:1,500〜2,000円程度
専門スキルあり(英語・経理・資料作成等):2,000〜3,000円も可
現役で日常的に使ってきたスキルが活かせる仕事なので、専門スキルが評価されやすいのではないでしょうか。キャリアが積み上がってきたら、マイクロ法人化してフリーランスとして働くこともできるかもしれません。
やってみたかったことに挑戦する
月の10万円の収入が最初から確保されるかどうかは、確証は持てないかもしれませんが、失敗しても大きな借金を背負う訳ではないのであれば、支出が減少するリタイアを機に、やってみたかったことにチャレンジするというのもアリです。
たとえば、農業。農業ビジネスが注目されてきてはいるものの、子どもの教育費を背負っている現役世代では、なかなか農業へのスイッチは決心がつきませんが、リタイア後であればトライできるかも。ただし、「小さくスタートする」ということが大事です。
まとめ:リタイア後の仕事への向き合い方
リタイア後の仕事選びにおいて、給与の優先度は低い
給与額で仕事を選ばなくて良いということは、給与に代わる優先度を自分で選べます。
リタイア後にやりたい事と、身体を動かす、社会に貢献する、人とつながるなど、リタイア後にもやっておいた方がいい事、仕事を自身のライフスタイルのどこに位置づけるかによって、仕事に求めることも変わります。
仕事への満足度は、現役世代よりもリタイア後の方が高い
リタイア後の仕事というと、(私にとってはどれも魅力的とは言えませんが)清掃・介護・施設メンテナンスがトップ3ではないでしょうか。
実は、そんな現状でも、仕事への満足度は、20代から50代にかけてどんどん下り、60代からは上昇、70代が最も仕事に満足しているという結果だそうです。
仕事のサイズが小さくなることでストレスも減少するためでしょうが、これからはより主体的・積極的に、幸福度の高まる仕事の選び方をしたいものです。
リタイア後の仕事の準備、何歳からスタートする?
最後に、、60歳で定年を迎えたあと、65歳まで雇用継続、65歳からよーいどんで、その後の仕事探しをする、が多くの会社員にあてはまるケースと思います。
65歳から70歳まではしっかり働いて、年金支給を70歳まで延長することを勧めている書籍もあります。
ただ人生後半の幸福度を上げるために、本当に65歳スタートでいいのかは、50歳を過ぎたところで真剣に考えるべき。と、やはり思います。