NISAではS&P500をベースにインデックス投資を続けていますが、ボーナス時などに楽天SCHDを特定口座で購入しています。
楽天SCHDの配当金は、3ヶ月に一度入金があり、再投資の設定にはしていないので、ちょっとしたお小遣いになっています。
楽天SCHDでリタイア後の配当収入確保したい。積立投資するなら配当は再投資すべき?
4%ルールで切り崩すシミュレーションをしてみましたが、
老後のお金シミュレーション:生活費のために株式を年率4%で切り崩すとすると、リタイア時点で資産はどれだけ必要?
元手が同じだったら、もしかすると高配当株投資をして配当金を受け取る方が手取りが多くなったりするのでしょうか・・?
4%ルール切り崩しと配当金受取額シミュレーション
シミュレーション前提
投資積立額:月30万円
積立期間:10年
ケース1:S&P500に積立投資を行い、10年後に4%ルールで切り崩す
ケース2:楽天SCHDに配当金再投資で積立投資を行い、10年後から配当金を受け取る
ケース1:S&P500(年利7%)に積立 → 4%ルールで取り崩し
<10年後の資産総額>
月利率:7% ÷ 12 = 0.583%
資産総額:約5,217万円
<10年目以降の月手取り額>
4%ルールによる年間取崩し額:5,217万円 × 4% = 約209万円
月手取り額:約17.4万円
<20年目の資産総額>
取崩し後も年7%で運用継続すると仮定:
11年目開始時:5,217万円
年間取崩し:209万円(4%ルール固定)
年間運用益:約365万円(7%)
20年目の資産総額:約6,777万円
ケース2:楽天SCHD(年利4%)に積立 → 配当金受取(配当利回り年3.5%)
<10年後の資産総額>
月利率:4% ÷ 12 = 0.333%
配当は再投資するため、トータルリターンで計算
資産総額:約4,416万円
<10年目以降の月手取り額>
配当利回り3.5%から配当金を受け取る:
年間配当:4,416万円 × 3.5% = 約155万円
月手取り額:約12.9万円
<20年目の資産総額>
配当金は受け取り、元本は年4%で成長:
複利計算:4,416万円 × (1.04)^10
20年目の資産総額:約6,537万円
短期(10年後)の資産額でもキャッシュフローでもS&P500が有利、長期では、元本を切り崩すにも関わらず、複利の効果でややS&P500有利の結果でした。
この結果を見る限りは、S&P500一択ですが、考慮すべきリスクはないのでしょうか。
S&P500一点集中のリスクとは
一般的に言われているS&P500のリスクとは、以下のようなものがあります。
- 市場変動リスク
S&P500は過去には年率7〜10%の成長をしてきましたが、リーマンショックやコロナショックのように数年単位で大きな下落が起こることもあります。
特に取り崩しを始めた直後に大暴落が来ると、資産の回復が追いつかず「シークエンス・オブ・リターンリスク」で資産が早く枯渇する可能性があります。 - 為替リスク
S&P500は米ドル建てなので、円安ならプラス効果ですが、円高になれば資産額や取り崩し額が目減りします。 - 米国リスク
将来、米国の成長力が鈍化したり、中国・インドなど他地域が優位になると、パフォーマンスが低下するリスクがあります。 -
インフレリスク
今後インフレが高止まりすると、生活費が上がり、取り崩し4%では足りなくなる可能性があります。
上記リスクの中で、2と3は楽天SCHDも米国株投資なので、リスクヘッジはできません。
4についても、インフレと同様に配当利回りが上昇するかどうかはわかりませんから、配当金の場合もインフレリスクは抱えたままです。
1の市場変動リスクについては、高配当株投資での補完が期待できます。
市場暴落の時には元本をできるだけ切り崩さずに市場に回復を待ちたいですが、配当収入があればキャッシュフローをある程度確保することができるからです。
まとめると、S&P500のリスクをヘッジするためには、債券や国内株式など米国投資以外に分散する必要があり、楽天SCHDでは完全にはリスク補完できない、となります。
ちなみに私は、投資は米国株式とオルカンのみ、その他の投資には手を出さず、リスクヘッジは現金で行う計画です。
想像以上の複利のチカラ
比較まとめ
項目 | ケース1(S&P500) | ケース2(楽天SCHD) |
---|---|---|
10年後資産 | 約5,217万円 | 約4,416万円 |
月手取り額 | 約17.4万円 | 約12.9万円 |
20年後資産 | 約6,777万円 | 約6,537万円 |
4%ルールによれば、切り崩し後も残金の運用継続によって資産は維持できるとは知っていましたが、元本に手をつけないケース2よりも、S&P500の方が20年後の資産が多いという結果には驚きました。残り時間が少ない50代であっても、やはり複利を利用しない手はないということがよくわかります。
現役時代は、S&P500をメインに資産額を増やすことに集中したいと思います。
リタイア後は、さすがにもう資産を増やす時間もないので、退職金は高配当株=楽天SCHDに投入し、配当金を老後のキャッシュフローに充てる、ということにします。
ちなみに、退職金2,000万を楽天SCHDに投資したとすると、
- 年間配当収入:70万円(税引前)
税引後:約56万円
月額換算:約4.7万円
ちょっとしたお小遣いになりそうです。