母は自宅の庭に植栽をしたり季節の花を植えたりしていましたが、私自身は植物を育てるということに全く興味がありませんでした。せいぜい料理に使えるハーブを育ててみるくらい。それでも、ものすごく丈夫ですと売られているものを選ぶにもかかわらず、長持ちさせることはできず、でした。
子どもが小さいときに、一緒に育ててみたら楽しいかなと小さな庭の花壇にミニトマトやバジル、青じそなどを植え始めました。やはり、私自身がそうであったように、子どもは興味をもたず・・一方で、私はなんとなく毎朝の水やり、週末の庭手入れが楽しく感じるようになっていました。
そこから、
「食べられるものならまだしも、お金と時間をかけて花を育てるなんて意味がわからない」と思っていたのに、バラを育てるようになり、
「せまい部屋に花や植物なんて、置く場所ない」と思っていたのに、観葉植物を育てるように。
会社から疲れて帰ってきたときに、部屋のグリーンを見てイキイキとした葉っぱに触れるだけで、肩の憑き物が落ちる気がします。
在宅ワークのときに、庭に出て植物たちのグリーンを見て匂いをかぐだけで呼吸がふうっと通る気がします。
こうした癒し効果以外に、植物を育てるという行為にはメンタルにポジティブな影響があると思います。
日々成長する姿を見せてくれる
毎日まじまじとチェックするわけではないものの、新芽が出た、蕾をつけた、花が開いた、小さな成長にはっと気づいたときに、小さな感動や嬉しさを感じます。
子どもが小さかったときは、子どもの日々の成長に喜びを感じたものですが、ある程度大きくなると、日々の生活の中で成長を感じられるものってあまりないんですよね。
無変化な環境は老化を加速させると思いませんか?
植物は四季のサイクルの中で新陳代謝を繰り返すので、1年を通して無期限で何らかの変化を起こします。
植物と暮らすということは、常に小さな成長を目にする環境に身を置くということです。
手をかけた分、必ず成果を返してくれる
つるバラを4鉢育てています。
バラは落葉樹なので、冬は葉をすべて落とし春に新芽を吹きます。このときに、花を咲かせる体力をつけるため肥料をしっかりあげないといけないのですが、昨年はこれをせずほったらかしにしまい、ほとんど花をつけず本当に寂しい思いをしました。
今年は、冬の植え替え・剪定、肥料、防虫など、You Tubeでしっかり勉強して手をかけましたら、どのバラも今までで一番の花付きで素晴らしい咲きっぷりでした。
おととし年末、会社の役員室に置いてあった取引先からの贈答用の胡蝶蘭を1株わけてもらい、自宅で育てることにチャレンジしてみました。
またしてもYou Tube先生によると、花芽を出させるには一定期間、寒気にあてないといけないとのこと。秋になって涼しくなってきたころ、毎晩ベランダに出して、毎朝家に入れる(直射日光を避けるため)を繰り返しました。
冬に入ったころそっと花芽が出て、初春に花をつけました。
つるバラも胡蝶蘭も1年に1度しか咲かず、春のシーズンのためだけに1年間お世話をすることになるのですが、それが醍醐味でもあります。時間をかけて正しく行ったことに対して、成果をきちんと返してくれます。
今の努力が将来に確実につながることを実感できる体験でもあります。
トライアンドエラーを許してくれる
とはいえ、毎回成功するわけではありません。失敗も数多く、打率5割といったところでしょうか。
まず、調子が悪いかどうかに気づけるか、気づくことができたら、対処法を色々試してみる。
植え替えてみる、栄養剤をやってみる、置く場所を変えてみる、剪定してみる・・。
アジアンタムというシダ系の観葉植物は、育てるのが難しいと知っていたのですが、あまりの可愛さに無謀にも挑戦してみたら、案の定、葉っぱがチリチリになって枯れた枝を切っているうちに丸坊主になってしまいました。
湿度と風通しが必要とのことだったので、試しに、浴室の窓際に置いてみたら、なんと新芽が出てきました!
失敗したときは落ち込むのですが、カウンターメジャーを打てる可能性があり、これが功を奏した時のうれしさはまた格別です。
どれもダメで本当に枯れてしまったものは、最初からやり直すしかないのですが、植物であればそれもまた許してもらえます。
50代になって職場においても、自身で成果を出すことよりも、人材を育成して成果を出せるチームを作ることに、自分の中で重心が移りました。
何かを育てることって、とても面白く興味が尽きない経験です。
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