楽天SCHDでリタイア後の配当収入確保したい。積立投資するなら配当は再投資すべき?

お金の不安を可視化

NISAでS&P500やオルカンなどインデックス投資をしていますが、高配当株投資は投資初心者の自分には少しハードルが高いなと思っていました。VYM(米国高配当株式ETF)も考えたことはあるのですが、配当が出るとはいえ、株価の上がり方はスローなんだろうなと思うとなかなか手が出せませんでした。
一方で、S&P500など株価の値上りを期待する投資の場合、老後生活においては切り崩すことが前提になります。財産を切り崩すということが、いざそのタイミングになるとメンタル的に厳しいかもなとも思っていました。
そんな中、楽天SCHDが発売になりました。配当と株価値上りの両方が期待できる投資信託として、発売直後から人気となっています。

老後資金について「年金だけでは心配」といった声をよく耳にしますが、資産運用による株式配当は年金を補完する収入源の候補になり得ます。
今回は、有効な老後生活資金源とするために、50代からどのように株式配当投資を行えばよいか、楽天SCHDをケースに検証していきます。

 

はじめに:株式配当で老後資金を作る3つのメリット

定期的な収入が得られる安心感

株式配当の最大の特徴は、定期的に収入を得られることです。多くの企業は年2回(中間配当と期末配当)、配当金を支払います。この定期的な収入は、老後の生活設計を立てやすくする大きな利点となります。

インフレに強い資産運用方法

預貯金は金利が低く、インフレによってお金の価値が目減りしてしまう心配があります。一方、株式配当は企業の業績に応じて配当金が増える可能性があり、インフレへの対応力が比較的高いと言えます。

元本を維持したまま収入を得られる

株式配当の場合、株式(元本)を保有したまま収入を得ることができます。これは、老後資金の運用において大きな安心感につながります。

そもそも株式配当とは何か

株式配当とは、企業が利益の一部を株主に還元する仕組みです。たとえば、1株1,000円の株式に対して年間配当金が30円の場合、配当利回りは3%となります。これは、預貯金の金利と比べるとかなり魅力的な数字と言えます。
株価は市場で日々変動しますが、配当金は企業が決めた金額で支払われます。ただし、企業の業績によって配当金が変更される可能性もあります。
配当金を受け取るためには、権利確定日に株式を保有している必要があります。多くの企業は3月と9月に権利確定日を設定しています。

投資信託と個別株の違い

投資信託のメリット:

  • 少額から始められる
  • 専門家が運用してくれる
  • リスク分散がしやすい

投資信託のデメリット:

  • 運用手数料がかかる
  • 運用方針が変更されることがある

個別株のメリット:

  • 手数料が一度きり
  • 自分で銘柄を選べる
  • 配当金の金額が明確

個別株のデメリット:

  • まとまった資金が必要
  • 値動きのリスクが大きい
  • 銘柄選びの知識が必要

やはり投資初心者には、個別株への一括投資よりもインデックス投資が安心かと思います。
次からは、配当が期待できる投資信託への積立投資、楽天SCHD(楽天・高配当株式・米国ファンド)をケースに見ていきます。

楽天SCHDで月10万円の配当金を得るためのシミュレーション

特定口座で楽天SCHDの積立投資を始めようと思っています。
この投資で、年金に加えて、月10万円の収入が得ることが目標です。
少し悩むのは、今現金収入に困っているわけではないので再投資型にするか、せっかくの高配当投資なので配当金受け取り型受け取りにするか・・。
Chat GPTでシミュレーションしてみます。

※ 前提条件:

  • 目標配当額:65歳から月10万円、年間で120万円
  • 投資先:SCHD(米国の高配当ETF)
  • 投資期間:50歳から65歳までの15年間
  • 配当利回り:2023年時点でのSCHDの配当利回りは約3.5%と仮定
  • 平均年間リターン:株価の成長率を含めた場合、平均リターンは年5~7%(配当再投資あり)と仮定

 

ケース1:配当再投資あり

配当再投資を行うと、複利効果によって投資元本が増えるため、将来の配当額が増える効果が期待できます。

  1. 目標元本計算:配当再投資ありで65歳時に月10万円の配当を得るためには、年間配当120万円 ÷ 0.035(配当利回り)=約3,430万円が必要
  2. 積立額シミュレーション:毎月の積立額を「年間5~7%のリターン」として計算します。
    • **年間リターン5%**の場合:毎月約13.6万円の積立が必要
    • **年間リターン7%**の場合:毎月約11.1万円の積立が必要

ケース2:配当再投資なし

配当を受け取った分は再投資せず、元本のみで増やしていく場合、リターンは約3.5%(配当利回りのみ)と仮定します。

  1. 目標元本計算:配当利回り3.5%で月10万円の配当を得るには、年間120万円 ÷ 0.035 = 約3,430万円が必要
  2. 積立額シミュレーション:配当再投資なし、リターン3.5%と仮定します。
    • 毎月約16.2万円の積立が必要

やはり複利の効果は大きいですね。配当を再投資するケースとしないケースで毎月3−5万円の積立額に差が生じます。

楽天SCHDに、毎月10万円の積立投資をするシミュレーション

では、積立額を毎月10万円としたとき、65歳時点でどれだけの配当収入が見込めるか、シミュレーションしてみます。

前提条件

  1. 積立額:月10万円(年間120万円)
  2. 積立期間:15年間(50歳から65歳)
  3. 配当利回り:3.5%(SCHDの平均配当利回りを参考)
  4. 年間リターン(株価成長を含む):
    • 配当再投資あり:年5~7%
    • 配当再投資なし:年3.5%(配当のみのリターン)
  5. 計算方法:積立金額に対し複利運用を考慮

ケース1:配当再投資あり

配当再投資を行い、年5%と7%のリターンが得られると仮定して、65歳時点での配当受取額を見積もります。

  1. 65歳時点の運用元本
    • 年5%リターンの場合:約3,103万円
    • 年7%リターンの場合:約3,674万円
  2. 年間配当額(3.5%配当利回りに基づく):
    • 年5%リターンの場合:3,103万円 × 0.035 = 約108.6万円
    • 年7%リターンの場合:3,674万円 × 0.035 = 約128.6万円

ケース2:配当再投資なし

配当を再投資せず、元本のみで運用した場合、リターンは配当利回り3.5%と仮定します。

  1. 65歳時点の運用元本:約2,722万円
    • 月10万円を15年間積み立てた合計(1,800万円)に3.5%の単利効果を加味した元本です。
  2. 年間配当額(3.5%配当利回りに基づく):
    • 2,722万円 × 0.035 = 約95.3万円

結果比較

ケース 65歳時点の運用元本 配当月額
配当再投資あり(年5%) 約3,103万円 約9万円
配当再投資あり(年7%) 約3,674万円 約11万円
配当再投資なし 約2,722万円 約8万円
年5%のリターンケースでは、月に1万円しか変わらない結果でした。こちらの見方では、再投資あり・なしであまり差が出ないですね。
  1. 配当再投資あり
    • メリット:複利効果により65歳以降の受取額が増加する。
    • デメリット:積立期間中は配当を受け取らず、リターンを享受できるのは65歳以降。
  2. 配当再投資なし
    • メリット:積立期間中の配当をすぐに活用できるため、柔軟な資金計画が可能。
    • デメリット:65歳時点での年間配当額が少なくなる可能性がある。

どちらが適切かは、積立期間中に配当収入が必要か、もしくは老後資金を優先したいかに依存します。再投資ありの方が長期的には資産が増えやすいですが、積立期間中のキャッシュフローの確保を考えるなら、再投資なしの選択肢も現実的です。

楽天SCHDで毎月10万円積立投資をしたら、配当は毎年どれくらいもらえる?

配当を再投資せずに50歳から65歳の15年間、SCHDに月10万円(年間120万円)を積み立てた場合、毎年得られる配当額を計算してみましょう。

前提条件

  1. 積立額:月10万円(年間120万円)
  2. 配当利回り:3.5%(配当を毎年受け取る)
  3. 積立期間:15年間(50歳から65歳まで)

計算方法

配当を再投資しない場合、毎年積み立てた元本に3.5%の配当利回りがつきます。よって、毎年の配当額は以下のように計算されます。

1年目には積立元本が120万円だけですが、翌年からは累積元本に対して配当がつきます。


年ごとの配当額の計算

以下に、各年末の積立元本とその年の配当額を示します。

年数 積立元本(累計) 年間配当額(3.5%)
1年目 120万円 4.2万円
2年目 240万円 8.4万円
3年目 360万円 12.6万円
4年目 480万円 16.8万円
5年目 600万円 21.0万円
6年目 720万円 25.2万円
7年目 840万円 29.4万円
8年目 960万円 33.6万円
9年目 1,080万円 37.8万円
10年目 1,200万円 42.0万円
11年目 1,320万円 46.2万円
12年目 1,440万円 50.4万円
13年目 1,560万円 54.6万円
14年目 1,680万円 58.8万円
15年目 1,800万円 63.0万円

毎年、これくらいの不労収入が得られるのは魅力的ではないでしょうか。最初はちょっといい外食くらい、定年を迎えてからは海外旅行を楽しめそうです。

というわけで、私は、毎月10万円の楽天SCHDへの積立投資を、配当受け取り型で始めます。リタイアするまでの間も、労働ではなく資産から生まれた所得で楽しみたいと思います。

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